〜暇つぶし〜
昔ある所に、一人の男が居ました。
男の周りには色々な人が集まりました。
表面上は仲良くやっていましたが、男は周りの人を誰一人信じていませんでした。
周りの人はそれを判っていましたが、特に気にしてはいませんでした。
そしてある時、男は死にました。
自ら命を絶ったのです。
周りの人は、誰一人悲しみませんでした。
信じられていなかったのですから当然です。
男には、家族がいませんでした。
ですから、周りに集まった人全員で、死んだ後の儀式を行いました。
儀式は他の人が死んだときのように、湿ったものではありませんでした。
誰一人悲しまなかったからです。
「というような話を聞いたことがあるかな?」
「ない」
「だろうね。これは私が創ったのだしね」
「・・・・・・・・」
「まあ、そう睨むな。丁度いい暇つぶしにはなっただろう?」
「全ッ然!」